2.保活の基礎知識

どんな種類の保育園があるのか、保育園を選ぶにあたって重要な指標を紹介します。

保活の基礎知識

「認可保育園と認可外保育園の違いってどんなところ?」「認可保育園申し込みの際の指数(点数)ってどうやって決められるの?」など、保活を始めるうえでまず知っておきたい基礎知識をまとめました。

保育園の種類について

認可保育園
概要 国の定める認可保育所の基準に則って設立・運営されている施設。
認可/認可外 認可
申込み先 自治体
保育可能年数 0歳〜就学前
定員 園により異なる
認定こども園
概要 国の定める認定こども園の基準に則って設立・運営されている施設。3歳児以上は保護者が働いていなくても預けられる。
認可/認可外 認可(認定こども園基準)
申込み先 自治体
保育可能年数 0歳〜就学前
定員 園により異なる
小規模保育
概要 国の定める小規模保育所の基準に則って設立・運営されている施設。
認可/認可外 認可(小規模保育基準)
申込み先 自治体
保育可能年数 0〜2歳
定員 6〜19名
家庭的保育
概要 国の定める家庭的保育事業の基準を満たした施設。家庭的保育者の自宅などを利用。
認可/認可外 認可
申込み先 自治体
保育可能年数 0〜2歳(3歳未満児)
定員 3〜5名が多い
地方自治体による独自保育事業(東京都の認証保育所など)
概要 自治体が独自に取り組む保育事業。自治体が独自に定める基準を満たしている認可外保育園に、認定・認証を与える形態が多い。
認可/認可外 認可外
申込み先 自治体により異なる
保育可能年数 保育園による
定員 園により異なる
その他の認可外保育施設
概要 上記以外の保育施設。中でも「企業主導型保育所」は企業が社員のために設立・運営をする保育園を指す。地域枠といって社員以外でも入園の申込みができる枠が設けられている場合がある。
認可/認可外 認可外
申込み先 保育園による
保育可能年数 保育園による
定員 園により異なる

認可を受けている保育園を利用するためには、お住いの地域にて保育の必要性の認定を受ける必要があります。

詳しくは「内閣府:よくわかる「子ども・子育て支援制度」を参照。

「ママスタ保活」では、保育園の種類や保育年齢などの条件で絞り込んだ検索も可能です。

指数(点数)について

指数(点数)

「指数(点数)」とは、認可保育園の入園希望者を選考する際に用いられる数値のことです。

保護者が働く状況や、保育に欠ける(保護者が保育できない)要件などから保育ニーズを数値化したものです。

算出基準は自治体により異なりますが、まずは一般的な例を見ていきましょう。

「基本(点数)+調整指数(点数)」が一般的

基本指数(点数) = 自身の状況(就労状況・健康状態・介護が必要な家族の有無など)

例えば「月に20日以上勤務し、日中8時間以上の就労が常態」(フルタイム勤務)であれば指数(点数)20点、申込みは世帯単位なので両親共にこれに当てはまる働き方であれば40点となります。

調整指数(点数) = 上記の基本指数(点数)に対し、加点・減点が発生するケース

例えば「区内で在園中の兄弟姉妹がいる」「認可外保育園にすでに預けている」などが加点されたり、「勤務先に児童を同伴している」などが減点となるルールを設けている自治体も。

基本指数(点数)と調整指数(点数)の総合点が持ち点となることは共通ですが、どのような要件で何点配点されるか、調整指数(点数)の内容などは自治体ごとに個性があります。

自治体の資料などをよく読み、自分の住んでいる自治体はどのような配点ルールなのか、自分の持ち点は何点なのかを把握しておくことをおすすめします。

自分で算出した指数(点数)を窓口で確認しよう

ここでポイントとなるのは、自分で算出した指数(点数)が実際の選考で用いられる指数(点数)とは限らないということです。

指数(点数)は入園希望者の自己申告ではなく、入園申し込み書類を元に自治体側で算出され、それに基づいて選考が行われます。資料を元に自分で指数(点数)を算出したら、その後にお住まいの自治体の役所の担当者と必ず答え合わせをするようにしましょう。

そこでもし自分で算出した指数(点数)よりも低い値が示された場合には「どうしたら自分で算出した値通りの指数(点数)となるか」を確認しておけば、選考で使われる指数(点数)を把握しておくことが可能になり、加点のために工夫できそうなポイントも知ることができます。

月齢・年齢について

年齢・月齢

入園できるのは「生後57日以降」

認可保育園の場合は、生後57日以降から預けられる園が一般的ですが、お住まいの自治体の役所が配布している資料や窓口で確認するのがおすすめです。

認可保育園でも1歳以降から受け入れる園や、0歳児クラスがあっても生後半年以降などのルールを設けている園もあります。認可外保育園についても様々なので、園ごとに確認しましょう。

「1歳児入園は難しい」と言われる理由

保育園では各クラスに定員が設定されています。クラスが上がるごとに定員が増える園も多いですが、1歳児クラスはそのほとんどが0歳児クラスから進級する児童で埋まってしまうため、新たな入園募集枠はほんの数名です。

例)
0歳児クラス 定員10名
1歳児クラス 定員12名
→1歳児クラスの定員12名のうち、10名は0歳児クラスから進級。新規募集枠は2名のみに。

また育休を1年〜1年半取得してから職場復帰、と考える世帯が多いことも、1歳児クラスの競争率が高くなってしまう要因と言えるでしょう。

出産時期、復帰タイミングなどで1歳児入園を選ぶしかないケースもあると思いますので、その場合は上記のような定員と進級児童の状況から、0歳児クラスのない1歳児以上で入園できる園をねらうのもおすすめです。

アドバイザー=山下真実

山下真実

山下真実 株式会社ここるく代表取締役
保活アドバイザー/社会起業家

人気のレストランから選べる託児付きランチサービス「ここるく」を2013年に創業し、東京・大阪・仙台に展開。サービス利用者の多くが育休中のママであることから、社会復帰を目指すママたちの課題である「保活」の支援にも注力しており、保活アドバイザーとして全国各地でセミナーを実施。自社で運営する認可外保育施設「キッズルームここるく」を2019年恵比寿に開設。 著書に『保育園に入ろう!保活のすべてがわかる本』(洋泉社)がある。

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